「家具は後で」が危険な間取りとは?新築・リノベで家具レイアウトに失敗しやすい理由

当ページのリンクには広告が含まれています。
スポンサーリンク

新築やリノベーションの打ち合わせで、
「家具は、住んでから考えればいいですよ」と言われたことはありませんか?

たしかに、すべての家具を事前に決める必要はありません。
けれどこの言葉をそのまま受け取った結果、
住み始めてからレイアウトで悩み続けてしまう方がとても多いのも事実です。

これまでの記事では、
図面を見るときのポイントや、
家具が入った状態を想像することの大切さについてお伝えしてきました。


今回はさらに一歩進めて、
「家具を後回しにすると、なぜ住みにくさにつながりやすいのか」
特に注意したい間取りや住宅タイプを、具体例とともに整理していきます。

レイアウトの失敗は、センスの問題ではありません。
考える順番を少し変えるだけで、防げる後悔があります。

では、どんなケースで「家具は後回し」が特に危険になりやすいのでしょうか。
実際の相談で多い例から、見ていきましょう。

スポンサーリンク
目次

新築・リノベで「家具後回し」が特に危険になりやすいケース

「家具は後から考えればいい」と言われることは多いですが、
間取りによっては、それが住みにくさにつながりやすいケースもあります。

家具やレイアウトを後回しにしたことで、
住み始めてから悩みが出やすい住宅タイプがあるのも事実です。

それは、

  • 一見すると条件が良さそうに見える
  • 図面上では問題に気づきにくい

そんな間取りです。

ここでは、新築やリノベーションの相談の中でも、
特に「レイアウトで悩みやすい」と感じるケースをいくつかご紹介します。

マンションの角部屋

マンションの角部屋は、家具レイアウトの相談がとても多い住宅タイプのひとつです。

角部屋というと、

  • 窓が多い
  • 明るい
  • 開放感がある

といった、良いイメージを持たれがちです。
実際、条件としては魅力的な部分も多いのですが、
その一方で、家具を置くという視点では制約が多いという特徴があります。

角部屋は、窓が多くなりがちで、その結果、壁として使える面が少なくなります。
そのため、

  • ソファを置きたい位置に窓がある
  • テレビを置ける壁が限られる
  • 窓を開け閉めするために、窓の前にスペースを空けたほうがよく、通路が増えやすい

といった状況が起こりやすくなります。

図面だけを見ていると、
「明るくて気持ちよさそう」「広く見える」
と感じやすいのですが、
家具が入った瞬間に、思っていた暮らしとのギャップが生まれるケースも少なくありません。

特に、

  • 大きめのソファを置きたい
  • テレビを壁に沿って配置したい
  • 大型の収納家具をしっかり置きたい

といった希望がある場合、
家具のサイズや配置を想定しないまま進めてしまうと、
「置きたいけれど置けない」「無理に置いて使いにくい」
という結果につながりやすくなります。

窓が多い=住みやすい、とは限りません。
どこに家具を置けるのか、どこは置けないのか
角部屋では、この整理を早い段階でしておくことが、とても重要になります。

建売戸建て住宅

建売戸建て住宅も、住み始めてからレイアウトの相談が多く寄せられる住宅タイプです。

建売住宅は、注文住宅とは違い、
家が完成してから購入するパターンがほとんどです。

間取りは、販売している住宅会社の基本プランに沿って作られていることが多く、

  • 建てやすい
  • コストを抑えやすい
  • 完成までのスピードが速い

といったメリットがあります。

一方で、「誰が、どんな家具を置いて、どう暮らすか」という部分が、
どうしても想定しきれないまま進みやすいという側面もあります。

注文住宅の場合は、たとえば
「リビングの広さはこのくらいほしい」
「収納家具を置きたくないのでなるべく造り付け収納を作りたい」
といったような希望が出て、設計に反映されていきます。

また、打ち合わせを重ねる中で、
お客様から多くあがる要望や不満を設計者が直接感じ取れるため、
その経験が次の案件にも活かされていくことも少なくありません。

一方、建売住宅では、完成して販売された時点で設計者や作り手の仕事は一区切りとなり、
住み手からのフィードバックが住宅会社へ戻りにくい構造になっています。

その結果、間取り自体に大きな問題はなくても、

  • 大きいサイズのソファを置くと通路が狭くなる
  • ダイニングとリビングが中途半端な広さになっている
  • 収納家具を置くと圧迫感が出る

といった、住み始めてからの違和感が生まれやすくなります。

よく聞くのが、
「ソファを置くと部屋が狭くなってしまう」
「隣の和室に寝転んでテレビを見たいけれどテレビはどこに置けばいいのか」
「ダイニングテーブルのベストな位置はどこだろうか」
といった声です。

ときには
「冷蔵庫はどこに置けばいいか」という悩みにつながることもあります。

これは、建売住宅が悪いという単純な話ではありません。
あらかじめ決められた間取りに対して、
自分たちの暮らしや家具をどう当てはめるかを考える機会が少ない
という点が、原因になっていることが多いのです。

建売住宅を選ぶ場合でも、
図面を見ながら、

  • どんな家具を置きたいか
  • そのサイズはどれくらいか
  • 置いたとき、通路や使い勝手はどうなるか

といったことを整理しておくだけで、
住み始めてからのギャップは大きく減らすことができます。

リビング続き間の和室

リビングに隣接した和室は、新築マンションや建売戸建てでとても多い間取りのひとつです。

  • 建具で仕切れるタイプ
  • 小上がりになっているタイプ

形は違っても、住み始めてから「どう使えばいいのか分からない」
という相談が多い点は共通しています。

計画段階では、
「客間として便利そう」
「子どもが小さいうちは遊び場として使えそう」
といったイメージで採用されることも少なくありません。

ところが、実際に住み始めてみると、

  • あまり使わない
  • 物置のようになってしまう
  • 家具を置きにくい

といった状態になり、持て余してしまうケースも多く見られます。

和室は、洋室と比べて置ける家具や使い方に向き・不向きがあります。

たとえば、

  • 基本的には洋風の大型家具は置かない前提の部屋
  • 万一家具を置く場合でも、畳に跡がついてしまう
  • 押入れの前には家具を置けない

といった点は、事前に想像していないと、住んでから悩みやすいポイントです。

また、
「リビングの延長として使いたい」のか、
「個室的に使いたい」のかによっても、
必要な広さや家具の考え方は大きく変わります。

  • 寝転んでくつろぐ場所にしたい
  • 来客時の客間として使いたい
  • 子どもの遊び場にしたい
  • 洗濯物をたたむなど、家事スペースとして使いたい

どれも間違いではありませんが、
すべてを一度に叶えるのは難しい場合があるのも事実です。

リビング続き間の和室は、
「何に使うか」をはっきりさせないまま進めてしまうと、
家具も決めきれず、結果として使いづらくなりがちです。

完成した間取りを購入する場合こそ、家を選ぶ段階で、

  • 和室で何をしたいのか
  • 家具を置くとしたら何を置くのか
  • 主に使うのは誰か

を一度整理しておくことが、とても大切になります。

和室は、できること・できないことが比較的はっきりしている空間です。
自分たちの暮らしに合った使い方を想像できるかどうかが、
満足度を大きく左右します。

「じゃあどうすればいい?」間取りと家具をつなぐ考え方

ここまで読んで、
「じゃあ、結局どう考えればいいの?」
と思った方も多いかもしれません。

よくあるのが、「家具はまだ決めなくていいですよ」
というアドバイスです。

たしかに、色やデザインまで細かく決める必要はありません。
けれど、何も考えずに後回しにするのは、
新築やリノベーションでは大きな賭けになりがちです。

大切なのは、家具を「決める」ことではなく、
考えておくべきポイントを整理しておくことです。

家具は「いつか選ぶもの」ではなく「前提条件」

家具は、住み始めてから選ぶもの。
そう思われがちですが、
間取りとの関係で見ると、家具は
後から足すものではなく、前提条件のひとつです。

たとえば、

  • ソファを置く前提なのか
  • テレビは必要なのか
  • ダイニングテーブルは何人掛けか

これだけでも、必要なスペースや壁の使い方は大きく変わります。

「まだ決めていない」ことと、
「何も想定していない」ことは、まったく別です。

図面を見るときに整理しておきたいポイント

新築やリノベーション、
または完成した住宅を購入する場合でも、
図面を見ながら次のような点を整理しておくと、
後悔はぐっと減ります。

  • どんな家具が必要か(大きなものから)
  • そのおおよそのサイズ
  • 置きたい場所、置けそうな場所
  • 置かないと決める家具は何か

特に、ソファ・ダイニングテーブル・テレビ周りなど、
サイズの大きい家具は、間取りへの影響が大きいため、
優先的に考えておくことが重要です。

「みんなが置いている家具」は基準にしなくていい

よくあるのが、
「リビングにはソファとテレビがあるもの」
「ダイニングテーブルは必要」
という思い込みです。

実際には、

  • ソファは置かない
  • テレビはいらない
  • ダイニングとリビングのテーブルを兼用する

といった暮らし方も、まったく問題ありません。

大切なのは、自分たちの暮らしに必要な家具は何かを、
遠慮せずに考えることです。

注文住宅やリノベーションの場合は、
こうした考えを設計者に伝えておくことで、
間取りや収納の考え方が大きく変わることもあります。

家具・間取り・暮らしをつなげて考える

家具レイアウトで迷ってしまう理由の多くは、
間取り、家具、暮らしが
バラバラに考えられていることにあります。

  • 間取りだけを見て家を決める
  • 家具は後から考える
  • 暮らしは住んでから想像する

この順番では、どうしてもズレが生まれます。

間取りを見るときに、
「ここに何を置くか」
「ここは何も置かないほうがよさそうか」
と、一度立ち止まって考えること。

それだけでも、住み始めてからの迷いは大きく減っていきます。

お部屋カルテ的・考え方のまとめ

ここまで見てきたように、
新築やリノベーション、建売住宅において
家具レイアウトで迷いが生まれる原因の多くは、
センスや好みの問題ではありません

  • 家具を後回しにしてしまった
  • 何を置くか、何を置かないかを整理しないまま進めてしまった
  • 間取り・家具・暮らしを別々に考えてしまった

こうした「考える順番のズレ」が、
住み始めてからの違和感につながっています。

レイアウトに悩んでいる方ほど、
「自分にはセンスがないのかもしれない」
「何を選べばいいのか分からない」
と感じがちです。

けれど実際には、センスがないのではなく、整理されていないだけ
というケースがほとんどです。

大切なのは、「どんなインテリアにするか」を考える前に、

  • 自分たちはどんな暮らしをしたいのか
  • 家の中で、何を優先したいのか
  • 家具に求めている役割は何か

を、一度立ち止まって整理することです。

私は、間取り・家具・暮らしを切り離さず、
ひとつの流れとして整理していく考え方をまとめたものを
「お部屋カルテ」と呼んでいます。

家具を選ぶための答えを出すのではなく、
迷っているポイントを見える形にしていく。
そうすることで、「何を考えればいいのか」
が自然と分かるようになります。

新築やリノベーションの計画中はもちろん、
すでに住み始めてからレイアウトに悩んでいる場合でも、
一度立ち止まって整理することで、
選択肢はぐっと絞りやすくなります。

レイアウトは、感覚や勢いで決めるものではなく、
整理すれば、ちゃんと考えられるものです。

まとめ

新築やリノベーションでは、「家具は住んでから考えればいい」
と言われることが少なくありません。

たしかに、色やデザインまで事前に決める必要はありません。
けれど、家具を完全に後回しにしてしまうことが、
住み始めてからの悩みにつながっているケースは多く見られます。

マンションの角部屋、建売戸建て住宅、
リビング続き間の和室など、
一見すると条件が良さそうに見える間取りほど、
家具やレイアウトを想定しないまま進めてしまうと、
「思っていた暮らしと違う」と感じやすくなります。

レイアウトの失敗は、センスや好みの問題ではありません。
考える順番が少しずれていただけ、ということがほとんどです。

どんな家具を置きたいのか。
その家具はどのくらいの大きさなのか。
置いたとき、通路や使い勝手はどうなるのか。

こうしたことを、図面を見る段階や家を選ぶ段階で
一度立ち止まって考えるだけで、
住み始めてからの迷いは大きく減らすことができます。

間取りと家具、そして暮らしは、
本来セットで考えるものです。
デザインやテイストはあとからでも調整できますが、
大きさや配置の考え方は、先に整理しておく方が楽です。

これから新築やリノベーションを計画している方も、
すでに住み始めてレイアウトに悩んでいる方も、
一度立ち止まって「何を考えるべきか」を整理してみてください。

家具は最後に考えるものではありません。
考え方だけは、先に持っておく。
それが、後悔しない住まいづくりへの近道です。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次